前回のブログにも書きましたが東北大学にて開催されました日本地理学会秋季学術大会に参加させていただきましたのでその帰り『世界遺産平泉』に行ってきました
東北新幹線を利用しますと約一時間で平泉につきますので、近いですね
この平泉地域一帯は言わずと知れた世界遺産「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」として有名ですが、実際にはその中でも「中尊寺金色堂」が最も世間的にはメジャーだと思います
しかし私が今回訪問して最もよかったな、と思ったのは毛越寺の浄土世界に迷い込んだような庭園と高館義経堂からの北上の眺望です
また松尾芭蕉の句も教科書で読んだ時には正直なところ、それほど感動もなかったのですが、あらためて現地でその句を味わうと「俳聖」といわれる芭蕉のすごみがじんわりと実感できました
三代の栄耀一睡の中にして、大門の跡は一里こなたに有。秀衡が跡は田野に成て、金鶏山のみ形を残す。先高館にのぼれば、北上川南部より流るゝ大河也。(中略)「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」と笠打敷て時のうつるまで泪を落し待りぬ。
夏草や 兵共が 夢の跡
上は有名すぎるくらい有名な義経堂での一節です ここでの「夢」について私はずっと武人としての上昇意欲、征服意欲のようなものだと思っていました しかし実は芭蕉の言う「夢」とは藤原三代の思い焦がれた仏国土(浄土)=平和安寧の社会への願い、だったのではないかと今回直感的に感じました
社会とは、平和とは、理想とは、はたまた人生とは、と観光スポットを巡りつつも深く考えさせられた平泉への旅でした