今日は一日いいお天気でしたので、少しだけ福井県の方へ足を伸ばしてきました。
何箇所か訪問したのですが、そのうちの一つが「若狭国吉城歴史資料館」です。若狭国吉城歴史資料館は、戦国時代の山城である国吉城址と、その城下町として造られた佐柿の歴史的な町並みをご紹介する、平成21年に開館した歴史資料館です。山城跡、と言っても、戦時以外は人が常駐していたわけではないとは思いますけど、朝倉氏からの侵略に何度も耐えた難攻不落の実用的な城だったようです。
その佐柿地区の町並みを紹介する史料として、入口に館の入り口付近に地籍図(複製)が展示してありました。その記載内容が少し特徴がありましたので、簡単にご紹介させていただきます。
上のように資料館の壁一面に地籍図があり、その一部を拡大して掲載しています。(資料館の方には撮影についての許可はいただいております)
まず、記載されている地番が殆ど訂正されていますので、基本的に壬申地券地引絵図をベースに改租の際に地番を振りなおした情報を書き入れたものと思われます。
また地番のほかに所有者、地目、等級(上田、下田、下々田)、石盛などが記載されていました。資料館の説明にも江戸・明治時代の地区の状況がわかる、といった説明が載っていましたが、まさに江戸と明治を又にかけたような記載情報の地図でした。
そもそも、図名・署名などはないことから、この地図自体は政府などへの提出用ではなく、村方の管理用もしくは何かの下図的なものかもしれませんが、なかなか興味深い、貴重な地図かと思いました。
なお、この資料館自体もこじんまりとはしていますが、山城や山寺に独特の、そこはかとない風情がとても感じられ、落ち着いた雰囲気を醸し出していたと思います。
あまり観光地っぽくないところも逆によく、秋のお出かけに宜しければ足を伸ばして見られてはいかがでしょうか。