平成30年1月20日、21日にかけまして土地家屋調査士近畿ブロック新人研修が開催されました。会場は例年のごとく大阪・ホテルコスモスクエア国際交流センターです。
この研修はこの一年のうちに新たに土地家屋調査士としてお仕事をはじめられた、いわゆる「新人」土地家屋調査士さんが必ず受講しないといけない、必須研修です。現在では日本土地家屋調査士会連合会が各地方の土地家屋調査士ブロック協議会に委託する形で全国8会場にて開催されております。
今回、私は近畿ブロック研修部会の構成メンバーとして参加させていただきました。実は運営側として参加させていただくのは五回目となります。恥ずかしながら運営側で五回も参加したのは過去にも私だけではないか、という気はしています。そんなこんなで無駄に長老感を感じつつ、の新人研修でした。
今回の新人研修では初めて‘生’の日本土地家屋調査士会連合会会長がお見えになられました。当初は挨拶だけ、ということだったようですが、それではせっかくお越しなのにもったいない、ということで二時間みっちり岡田潤一郎会長には講義をご担当いただきました。講義テーマは「土地家屋調査士制度と土地家屋調査士の将来」ということで、土地家屋調査士としての初心に立ち返る、改めて背筋が伸びるような内容のお話でした。これまでは連合会会長の出演はDVDでのご挨拶だけでしたので、今年の新人さんは本当にラッキーだったと思います。
また、山脇優子先生(大阪土地家屋調査士会)からは「境界紛争における土地家屋調査士の役割」と題して講義をしていただきました。筆界特定とADRの連携の可能性や課題など、新人さんにもわかりやすく、かみ砕いた説明をしていただきました。土地家屋調査士として境界紛争にどうかかわっていくのか、その方向性を示していただけたと思います。
さらに鈴木修先生(宮城県土地家屋調査士会)からは、「調査士の事務所経営と報酬の考え方について」ということで、例え話を巧みに埋め込んで、サラリーマンと経営者の違い、プロフェッショナルとしての心構え等々をお話しいただきました。ラーメン店の例え話は毎年恒例ですが、どんな業種にせよなにがしかの‘個性’なくして安定した事務所経営はない、と思いました。
研修では他にも「戸籍等職務上請求書の取り扱いについて」「土地家屋調査士会員必携・会員心得」「不動産登記法及び関連法令」「調査測量実施要領(通則)」「調査測量実施要領(通則・実務・技術編)」さらに「土地家屋調査士国民年金基金について」「政治連盟について」と大変多岐にわたる研修スケジュールでした。
上は懇親会の様子です。乾杯の音頭は鈴木先生でした。その後の二次会では日付が替わるまで新人の皆さんと交流することが出来ました。将来への期待と不安が入り混じったこの時期、なるべく多くの先輩や同輩と意見交換することが何よりの薬ではないかと思います。こうした機会を通じて是非一人でも多く土地家屋調査士業界での友人、知人を増やしていただければと思います。
研修の最後は修了証の授与式です。金子近畿ブロック研修部会担当副会長より受講者に授与していただきました。
今年新たに土地家屋調査士となられた皆さんにとって、今回の研修は単に業務を行うだけでなく、長い土地家屋調査士人生を歩む上で有意義なものとなったことと思います。長い土地家屋調査士人生ですから恐らく山もあれば谷もあることでしょうが、どこかでこの研修のことを思いだせば、きっとなんとかなると思います。
私個人もそうですが、いつまでも登録した際の初心だけは忘れずに、明るく楽しく前向きに業務にいそしんでいただければ幸いです。
参加いただきました皆さん、大変お疲れさまでした。またどこかで出会える機会があれば大変うれしいです。その時は気軽にお声掛け下さい!