平成30年7月14日、、京都府立京都学・歴彩館において「地籍図見学会」に参加してきました。7月14日の京都といえば祇園祭の最中ですよね。多くの観光客が電車や駅におられました。
地籍図見学会では主に京都市内の地籍編成地籍地図の写しを組(ブロック)ごとに一枚一枚拝見させていただきました。この図自体はインターネットでも検索することが出来ますので、私は初見ということもなかったのですが、まとまって一度に拝見させていただきますと、改めて滋賀の地籍編成地籍地図とは相違する点も気づきます。例えば地目や地種が一筆一筆の中に書き込まれていましたが、地図と台帳が基本的には役割を分けていたと考えられる地籍編成地籍地図の性格とは少し外れているように思います。ただ、こうして同じ明治前期作成の地籍図でも地域によって、場合によっては作成者によって相違点があるのが興味深いところです。
また明治33年の京都府美山町のある地域の地籍図を見ましたら畦畔や崖地を一筆地の中で黄色く着色している事例がありました。滋賀県内なら黄色でしたら堤防ですので、滋賀の土地家屋調査士なら見た目で勘違いしそうだな、と思わされる事例でした。
また京都市内嵯峨野の地籍編成地籍地図作成の際の台帳(正式には官有地一筆限調簿)を見ますと、地目の中に「泥揚場」がありました。これでも珍しいと思いましたが他にも「石捨場」という地目の土地がありました。「石捨」、と言われてもちょっとイメージがないのですが、もしかしたら場所がらか桂川の上流から流れてくる土砂の類を置く場所だったのだろうか、などと考えたりしました。滋賀でも一筆限調簿は数点のみ滋賀県県政史料室に残っていますが、高島郡の一部地域だけなので他は残念ながら散逸してしまったのかな、と思っています。
なお、今回の勉強会の参加者は基本的には土地家屋調査士の方がメインでしたが、皆さん大変熱心に資料を見入っておられたことが大変印象に残りました。比較的高齢の先生方の割合も高かったのですが、皆さん大変熱く語っておられました。幾つになっても素直に学ぶ姿勢や情熱というものは持ちたいものですね。なお、U先生にはお手作の梅ジャムまでいただき恐縮でした。
今回会場に使用させていただきました「京都府立京都学・歴彩館」ですが、前身の京都府立総合資料館からは見違えるような綺麗な建物でした。
ただ個人的には余りに綺麗な施設は逆に使いにくいイメージがあります。今後大勢の方が利用されていくのでしょうが、利用者の皆さんと一緒に新しい歴彩館の未来を創っていっていただければと思いました。
また館に併設された稲盛記念会館内の「delicafeたまご京都北山」(上の写真)は京都府立大学の学生食堂も兼ねているようでしたが備品もおしゃれで私の知っている京都府立大学のイメージとは違って随分洗練されていましたね。
私の知ってる二十年前の京都府立大学は、私学も多い京都にあって、どこか郷土を思い起こすような、肩ひじ張らずホッとできるような雰囲気の大学でした。農学部の学生さん等とウオッカを飲み交わしたのもいい思い出です。あれは密造酒だったような記憶がありますが、、、まあ時効ですかね。
果たして、今の府大の学生さんにもその気質?は引き継がれているのでしょうか。