今日は午後から大津地方法務局の主催による筆界調査委員の研修会が行われましたので、参加してきました。ちなみに筆界調査委員とは、法務局にて実施している筆界特定制度(土地の所有者として登記されている人などの申請に基づいて、筆界特定登記官が、現地における土地の筆界の位置を特定する)にあたって、外部専門家として専門的知見に基づいて意見を提出する役割を担っています。筆界調査委員の中には弁護士や司法書士の方もおられますが、全国的に見ても実質的には土地家屋調査士がその中心として活躍しています。
今日の研修会は事例研修として過去の特定事案を例として少人数グループに分かれ、検討しました。グループ討議の前に現状報告として、現在滋賀県内の筆界特定処理事案のうち、かなり多くが原始筆界が占めており、しかも地域属性としては山林地が多いとの総括表示登記専門官のお話がありました。
そうしたこともあってか、今回の特定事案例も山間地のケースでした。詳しくは書けませんが、土地台帳や壬申地券地引絵図の記載内容などを興味深く拝見し、僭越ながらそれらの資料的性格と読み解き方について少しだけお話をさせていただきました。そういえば前に一橋大学渡辺尚志先生の本も当ブログで一度取り上げさせていただきましたが、登記上の所有者に「村中」や「大字所有」といった変則型登記などが絡む山間地の土地境界を語るにあたって、改めて参考になる内容だったと再認識しましたね。
今回の筆界調査委員の研修会ですが、前回は二年前に開催されて以来でしたが、昨年は初めて申請代理人も務めさせていただき経験も積めましたので、参考になるところも多かったです。そろそろ筆界調査委員として意見書も書いてみたいような、そうでもないような、微妙なところですが…。
なお、今日は金曜ロードショーで話題作、「カメラを止めるな!」を視聴しました。上田慎一郎監督はわが地元長浜市の出身ということも有り、興味をもって報道を拝見していましたが、地上波で観れてラッキーでした。長浜市民の視聴率はさぞかし、高いことでしょうね。
それにしてもこんな田舎から、クリエイティブな仕事で全国から注目を浴びるような方が出るとは本当に信じられないくらいです。土地家屋調査士のような相当に地味?な生業のものからすると映画や芸能界って、全くの別世界で大変まぶしく映ります。