人文地理学会第156回歴史地理研究部会(卒業論文・修士論文発表会)

 

 予てよりご案内させていただいておりましたが、2019年8月31日、京都大学構内にて一般社団法人人文地理学会第156回歴史地理研究部会が開催されました。

 及ばずながら私も今回、報告者の一人としてご報告をさせていただく機会をいただきましたので、参加させていただいてきました。

 

 報告者ですので、早めに会場には入りました。京都大学は一体いつ以来かは記憶も定かではないのですが、ひょっとしたら20数年ぶりだったかもしれません。百万遍のあたりをバスで通過することはままあったのですが、久しぶりに敷地内に入ってみると昔よりこぎれいな、さっぱりした雰囲気が感じられましたが、ここは京都大学らしく?もう少し雑然&騒然としていた方が個人的には好ましいと思います。

 

 予定まで時間もありましたので、昼食に「ハイライト百万遍店」を訪れました。ハイライトは京都の学生の胃袋を満たす、学生食堂の代表選手ともいうべきお店です。学生の時分は衣笠店にはちょくちょくお世話になりましたが、百万遍店は本店ということですので、一階二階と合わせると衣笠店の二倍くらいのスペースはありそうです。

 

 

 後に報告を控えていますので、ここはちょっと控えめに「味噌チキンカツ定食」680円をチョイス。控えめに、とは言いましたが、さすがにここはハイライトだけあってボリュームはあります。お茶のヤカンもいい味を出していますね。他に沢庵の盛り放題も嬉しかったですし、店員さんの絶妙なあっさり目の接客?、も却って気持ちのいいものです。こうしたお店は是非永く続いてほしいものですね。

 

 

上の二つの画像は人文地理学会歴史地理研究部会FACEBOOKページより拝借しました

 

 

ここでようやく本題に戻りますが、研究発表は以下の内容で行われました。(以下人文地理学会HPより)

 

 京都市における建物疎開跡地と地域社会・・・・・・・・・・ ・・・・・南 雄太(佛教大学・院)

②    道路(軒下地)からみた官民地境界の変化―滋賀県大津市を事例に―・・西村和洋(滋賀県土地家屋調査士会)

③    中近世港町の空間構造―越前国三国湊の景観変遷―・・・・・・・・・・三好志尚(京都大学・院)

 

コメント:①川口朋子(京都大学),②岡本訓明(大阪府立山田高校),③南出眞助(追手門学院大学)

 

司会:山村亜希(京都大学)

 

趣旨:当部会では,例年,前年度に提出された歴史地理学分野の卒論・修論発表の場を設けている。今回は,近世から近代にかけての都市空間をめぐる多様なテーマの論文3本の発表となる。南雄太論文(佛教大卒論)は,京都市における建物疎開が地域社会に与えた影響について,ライフヒストリーの手法を用いて,住民の生活や生業に関する記憶の復元を行う。西村和洋論文(佛教大修論)は,近世由来の道路利用慣行(軒下地)が,近代において道路と私有地の間の官民地境界に与えた影響を,地方都市(大津)を対象として明らかにする。三好志尚論文(京都大修論)は,中世以来の港町として著名な越前三国湊を対象として,中近世における都市景観の変化を通時的に考察する。それぞれの論文に近い研究領域のコメンテーターをお願いした。歴史地理学に関心ある若い方々と,研究の最前線の歴史地理学者とが交流することで,ともに世代を超えて刺激が得られることを期待したい。

 

 司会をお務めいただきました山村亜希先生からも会場においてご説明がありましたが、卒業論文・修士論文報告会ということで3つの報告に絞り、それぞれの報告毎に比較的時間に余裕をもたして設定しておられます。結果、事前に割り振られたそれぞれの分野のベテランのコメンテーターの先生方からきっちり的を得た質問を出していただいて、やり取りの中でさらに報告者も学ぶことができるという、いい場になったと思います。私自身はあまりうまくお応えできなかったのですが、コメントをいただいた岡本先生、さらに会場の方からも多くの質問をいただいて、こちらも大変勉強になりました。

 また近場の某大学のM先生からは「毎日大津百町のエリアを通っているけど、軒下地については知りませんでした。今度学生にも今日知った内容を説明させてもらいますよ」とお声かけいただき、ちょこっと嬉しかったです。

 

 部会が始まる前には夏休み中の開催でもあることから参加者数が心配されていましたが、ふたを開ければ30名を超える方々にご参加いただけたようで、例年に比べても盛況だったようです。参加者層は心なしか比較的若い方が多いように見受けられました。部会終了後の懇親会にも20数名の方に出席いただいて、参加者の方々と交流・情報交換もさせていただくこともでき、有意義な場となりました。

 

 

 

 懇親会の会場の「百万遍・おむら家」さんです。昔はそうなかったと思いますが、今の京都は古民家を改造したお店もずいぶん増えたんでしょうね。外見もさることながら、内装もかなり年季の入った建物でした。

 

 本当は最後までゆっくりしたかったのですが、当日中に移動しないといけないとのことで懇親会を中座し、一路浜松へ…。そちらについてはまた後日改めて。

 

 

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