「国指定史跡下坂氏館跡」に行ってきました

 

 まだまだ暑い日が続きますが、今日は朝から長浜市内の「下坂氏館跡」を訪問してきました。この8月から一般に公開されるようになった史跡ですが、土日のみの公開ということですのでタイミング的に今日になりました。

 「下坂氏館跡」といいますと、いかにも史跡風で堅苦しい感も無きにしも非ずといったところですが、地元の方にとっては下坂クリニックさんといったほうが遥かに通りがよく、私も病院ではお世話になったことはないのですが、少し前に行政の関係で先生に良くしていただいたこともあって、近くを通るたびに「この奥はどうなっているのだろう」と関心は持っていました。

 

 

 史跡の感想としては建物も素晴らしいものでしたが、それ以上に土塁や堀、さらには虎口などの縄張り関係が大変良好に保存されており感心しました。大百姓や庄屋屋敷などで建物が豪華な例は少なくないのですが、中世の豪族の屋敷地がそのまま保存され、こうして公開されている事例はまずないのではないでしょうか。精々、現地案内板で説明がされている程度で、保存状態も芳しくないことが多いと思うのですが、この下坂氏館はつい最近まで実際に居住に供され、いまもクリニックの敷地の一部ということもあって「館」としての生命が感じられました。志ある所有者のおかげもあり、今日まで大事に保存されてきたのでしょうね。

 展示も南北朝時代の文書が保存されており、拝読させていただきました。そのうちの一つ、足利直義の感状の内容もなかなか当時の戦闘の様子を反映しており、興味深かったです。

 

 

 上は下坂家の菩提寺である「不断光院」です。下坂家のみが檀家という、大変贅沢な寺院となっています。下坂家は浅井家の滅亡以降は帰農し、地域の有力者として代々続いてきたとのことですが、さすがに「マイ寺」を持ってるよ、という家系はそうそうお目にかからないと思われます。藤原氏の興福寺など、貴族関係で聞いたことはありますが、地方豪族も同じようなことをしていたのですね。

 

 下坂氏館跡は全体として、中世の国人豪族の屋敷が今に生き続ける、大変貴重な史跡だと思います。中世の遺構は大寺院などを除くと、焼失したり、所有している家が廃れたりで、あまり良好に保存されているものはないと思うのですが、この下坂氏館跡は希少価値があるものではないでしょうか。

 個人的には歴史を学ばれている若い学生さんなんかに沢山ご訪問していただけると新たな発見があるような気がします。訪れた方を豪族の割拠した中世農村社会へとたちまち誘う不思議な空間「下坂氏館跡」、お勧めです!

 

初回のみ相談料無料

 お気軽にご相談下さい! 夜間・ 土日祝日も事前予約で対応可です

滋賀県長浜市五村215番地

TEL:0749-73-3566 

受付:平日9:00〜17:00

※可能でしたらなるべくメールでの お問合せをお願いします