先日知り合いから紹介をいただいた案件で登記事項証明書を見ていましたら、なぜか違和感を感じ、おかしいな…と思いよくみると、地目が畑にもかかわらず小数点以下第二位まで地積の登記がなされていました。
不動産登記規則第100条において「(地積)第100条地積は、水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一(宅地及び鉱泉地以外の土地で十平方メートルを超えるものについては、一平方メートル)未満の端数は、切り捨てる。」と定められていますので、地目が畑であるにも関わらず、この表記は明らかにおかしいと言えます。
しかもこの筆の上にはそれなりに昔から建物があった形跡がありましたので、ピンときました。「これは移記ミスではないか」と。そこで法務局で土地台帳や閉鎖登記簿、和紙公図などを調査しましたら、まさにぴったしカンカンでして、昭和11年に地目変更がされており、地積の表示はその名残でした。そこで早速申請を行い、錯誤を原因として地目を「宅地」へと変更することが出来ました(原因及びその日付を見てもわかるように地目の②のみで、地積の③は訂正していません)。
この案件をご紹介いただいた際には住宅ローンのからみもあって地目変更登記のためにまずは農地転用手続きが必要でしょうね…ということでしたし、こちらもそのつもりでいましたが、こうして早期に、安く解決をみることができて本当に良かったです。
不動産登記は正確なものだ、という世間一般の印象は確かに間違ってはいないと思いますが、そこはやはり人の手が介在するわけですから、100%ではありません。どこか怪しいな~と思ったらまずは専門家に相談することが大切ですね。